インバウンド客に日本ならではの特別な体験や価値を提供し、店舗の集客・売上アップに繋げたい事業者様は多いでしょう。
近年は、従来の観光名所巡りに加え、日本の伝統文化を肌で感じる体験型観光を求めるインバウンド客が増えています。
そんな体験型観光を求めるインバウンド客に対し、店舗・施設では満足度向上に繋がる取り組みが不可欠です。
この記事では、インバウンド客における体験型観光の傾向から人気のある体験型スポット・イベント、インバウンド対策まで解説します。
インバウンド客における体験型観光の傾向

体験型観光を望むインバウンド客がどのような体験に期待しているのか、その傾向について詳しく解説します。
訪日目的として最も多いのが観光・レジャー
国土交通省観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査(2024年1〜3月)によると、訪日外国人(インバウンド客)の訪日目的として最も多いのは「観光・レジャー」で、全体の83.8%を占めています。
同資料では、観光・レジャーを目的に訪日する予定の観光客は、以下のような体験を求めていることがわかります。
- 1位:日本食を食べること(32.3%)
- 2位:自然・景勝地の観光 (10.8%)
- 3位:ショッピング(9.2%)
- 4位:テーマパーク(7.5%)
- 5位:温泉入浴(6.7%)
- 6位:スキー・スノーボード(6.5%)
- 7位:日本の歴史・伝統文化体験(4.0%)
- 8位:繁華街の街歩き(3.4%)
- 9位:舞台・音楽鑑賞(3.0%)
- 10位:日本の日常生活体験(2.7%)
以前から日本食を堪能しに訪日する外国人観光客が多いですが、近年は体験型施設・イベントの利用が注目されています。
観光のスタイルは「コト消費型」へシフト
近年のインバウンド客の傾向として、「モノを買う」消費型から、体験を通じて日本の文化や自然を深く理解する「コト消費型」、つまり体験型観光へのシフトが顕著になっています。
具体的には、以下のような体験型コンテンツが注目されています。
- 着物の着付け体験や忍者・侍文化の体験施設
- 地域アーティストの作品を展示するアートスペース
- 自然の中でのアクティビティ(ハイキング、スキー、サイクリングなど)
- 温泉を活かしたウェルネス体験
- 地方ならではの伝統工芸体験や農泊(農村ステイ)
こうした体験は、訪日観光客が利用するSNSでシェアされやすく、インバウンド客の「ユニークで記憶に残る旅」への期待に応えています。
インバウンド客に人気の体験型観光スポット・イベント

ここからは、訪日の目的として特に人気の体験型観光スポットやイベントなどを、ジャンル別に紹介します。
テーマパーク
日本のテーマパークは、エンターテインメント性と日本独自のホスピタリティが融合した観光体験として、インバウンド客から高い支持を得ています。
【代表的な施設】
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪)
- 東京ディズニーランド / ディズニーシー(東京)
- ワーナー ブラザース スタジオツアー東京『メイキング・オブ・ハリー・ポッター』(東京)
- 白い恋人パーク(北海道)
- 富士急ハイランド(山梨)
- よこはまコスモワールド(神奈川)
- ハウステンボス(長崎)
キャラクターとのふれあいはもちろん、季節ごとのイベントやSNS映えを意識した演出、限定グッズの販売などが訪日客の満足度向上に寄与しています。
温泉
日本が誇る名湯の数々は、「癒し+日本文化体験」の両方を求めるインバウンド客に非常に人気があります。
露天風呂や浴衣での街歩きは、海外では味わえない特別な体験です。
【代表的なスポット】
- 草津温泉(群馬)
- 別府温泉(大分)
- 箱根温泉(神奈川)
- 有馬温泉(兵庫)
- 熱海温泉(静岡)
特に、自然に囲まれた景観や歴史的建造物との相乗効果が、フォトジェニックでストーリー性のある旅を求める訪日客に支持されています。
スキー場
日本のスキー場は、上質なパウダースノーと雄大な自然景観が魅力で、インバウンド客に人気のある冬季観光地です。
特に、オーストラリアやアジアのスキー愛好家から「世界有数の雪質」として注目されています。
【代表的なスポット】
- 富良野スキー場(北海道)
- ニセコエリア(北海道)
- 蔵王温泉スキー(山形県)
- 苗場スキー場(新潟県)
- 白馬バレー(長野県)
白馬バレーエリア(白馬村・小谷村・大町市)では、外国人観光客の受け入れ体制を整備しています。滞在中により多くの消費をしていただけることを目指して、スキー場施設内での決済を携帯端末一つで完結できるシステムを導入し、言語の壁を超えた快適な滞在を実現しました。
これらの人気のスキー場は滞在型リゾートが充実しており、スキーと温泉を組み合わせた「ウィンターバケーション」として選ばれています。
【関連記事】インタセクト、白馬バレーエリア(白馬村・小谷村・大町市)に WeChatPay(微信支付)決済をメインとするIntaPayを導入
着物・浴衣着付け体験
着物・浴衣の着付け体験は、日本の伝統文化を自分の身体で体感できるユニークなアクティビティとして、人気があります。
日本の伝統美を再現したビジュアルが魅力で、和装で歴史ある街を歩くことで「日本らしさ」を直感的に感じられる点が支持される理由です。
京都や温泉地などで着付け体験をし、SNS映えする写真や動画を残せることが、訪日観光の目的にも繋がっています。
茶道・華道・書道体験
茶道・華道・書道体験は、日本が長い歴史で築いてきた「美」と「精神性」に触れられる文化体験として人気のコンテンツです。
格式のある空間での特別な体験が、訪日客にとって忘れられない思い出となっています。
伝統芸能体験
歌舞伎や能、狂言、和太鼓、三味線などの伝統芸能体験は、日本の「静」と「動」が織りなす美を、五感で味わえる特別な時間を創出します。
舞台芸術を鑑賞する文化から、一緒に身体で感じる文化へと昇華させる体験型プログラムが増えています。
特に、和太鼓や三味線の音に自ら触れることで、日本のリズムを肌で感じられると評判です。
伝統工芸体験
伝統工芸体験は、日本の手仕事の精神に触れられる貴重な機会であり、日本の観光客からも人気の高いコンテンツです。
大量生産では得られない素材の温もりや、職人の技の繊細さを自らの手で感じられることが、他国にはない魅力とされています。
例えば、漆器や陶芸、染物、和紙づくりなど、地域ごとに異なる文化背景が体験に深みを与えます。
「旅先で自分だけの作品を作る」という特別感は、思い出として強く心に残る要因になるでしょう。
侍・忍者体験
侍・忍者体験は、日本特有の歴史ファンタジーを自分が主役として楽しめるエンターテインメント型の文化体験です。
映画やアニメでなじみ深い侍や、忍者の世界に実際に入り込める点が他にはない魅力です。
例えば、「サムライ忍者体験ミュージアム京都」では、甲冑や忍者衣装を着用し、刀の扱いや手裏剣投げを体験できる本格的なプログラムを提供しています。
歴史と遊びが融合した「体験型タイムトラベル」は、訪日客の記憶に強く残る理由となるでしょう。
博物館・記念館
博物館や記念館は、インバウンド客にとって「日本を深く知る入口」として選ばれています。
目に見える観光地だけでは伝わらない歴史や思想、産業の歩みを学べる場所として、文化的好奇心の高い旅行者に支持されています。
【代表的な施設】
- 原爆ドーム
- 広島平和記念資料館
- トヨタ産業技術記念館
- 京都鉄道博物館
- サッポロビール博物館
- カップヌードルミュージアム横浜
平和への思いを共有する場所から、日本のものづくりの精神に触れられる展示まで、ジャンルの多様さも訪日客の関心を引きつけるポイントです。
美術館・アートミュージアム
美術館やアートミュージアムは、芸術に「静かに浸る」「体感する」といった多様なアート体験ができるスポットとして人気です。
【代表的な施設】
- 彫刻の森美術館
- 国立科学博物館
- 東京国立博物館
- 三鷹の森ジブリ美術館
- チームラボプラネッツTOKYO(東京)
- アートアクアリウム美術館GINZA(東京)
- 京都国際マンガミュージアム(京都府)
世界的に有名な絵画や彫刻を展示した美術館だけではなく、日本文化の象徴でもあるアニメ・マンガと融合したミュージアムも注目されています。
視覚体験に特化したインタラクティブな展示は、芸術と遊びの融合を楽しめる特別なコンテンツとなっています。
音楽ライブ・フェス
アニメ主題歌やYouTubeなどを通じて、海外でも人気を得ているアーティストの存在は、日本への「音楽目的の旅」を後押ししています。
【今、訪日観光客が注目するアーティスト】
- YOASOBI
- LiSA
- 星野源
- King Gnu
- 米津玄師
【訪日観光客に人気のフェス】
- フジロックフェスティバル
- サマーソニック
- ロックインジャパンフェスティバル
フジロックなどの野外フェスでは、自然や日本独自の会場演出とともに音楽を楽しめる点が評価されています。
日本らしいライブ体験を求めて、アニメ歌手やアイドルを目的に来日するファンも多いです。
ポップカルチャーイベント
ポップカルチャーイベントは、アニメ・ゲーム・マンガを通じて育まれた「クールジャパン」をリアルに体感できる場として、インバウンド客に圧倒的な支持を受けています。
【代表的なイベント】
- AnimeJapan
- コミックマーケット
- eスポーツイベント(EVO Japan、CAPCOM CUPなど)
例えば、コミックマーケットはアニメやマンガの世界観に没入できるだけでなく、コスプレやグッズの購入、クリエイターとの交流などの特別な体験を得られます。
近年はeスポーツのイベントも盛んで、自国の有名プレイヤーの活躍を見るために訪日する旅行者もいます。
体験型スポットにおけるキャッシュレス決済の浸透率

体験型観光スポットやイベントでは、訪日観光客が各国で主流とする決済手段への対応が求められます。
京都市観光協会が令和元年に実施した「キャッシュレス決済の実態調査」では、博物館・美術館・ミュージアム・記念館・体験施設におけるキャッシュレス決済の導入率が63.5%であることが明らかになりました。
これは、宿泊施設の93.1%、飲食店の90.8%という導入率と比較して、体験型施設でのキャッシュレス決済の普及がやや遅れていることを示しています。
同調査によれば、新たな決済手段の導入を検討している店舗は49.1%に上り、国内QRコード決済の導入を希望する店舗が39.1%、中国系QRコード決済の導入を希望する店舗が21.4%と、高い割合を占めています。
今後、訪日観光客をターゲットとする体験型観光施設では、需要の高いキャッシュレス決済手段の導入が集客の鍵となるでしょう。
体験型観光におけるインバウンド対策の課題

インバウンド客の満足度を高めるには、体験型観光施設における現場課題を正しく把握し、実効性のある対策を講じることが不可欠です。
以下は、特に多くの現場で指摘される課題と解決策の例です。
課題 | 解決策 |
通信インフラの未整備 | ・安定した無料Wi-Fiの整備 |
多言語案内の不足 | ・英語、中国語、韓国語などの主要言語で表示を標準 ・AI翻訳デバイスの導入 |
スタッフ対応の属人化 | ・英会話・多文化理解の研修を実施 ・対応マニュアルやフレーズ集の充実化 |
決済手段が限られている | ・WeChat PayやAlipay+などに対応したマルチQRコード決済システムの導入 |
このように、課題を的確に捉えたうえで、段階的に解決策を提示することが、体験型観光施設のインバウンド対応を強化する第一歩です。
体験型観光施設でのスムーズな決済を支援する「IntaPay」

体験型施設でインバウンド客をスムーズに受け入れたい場合、ニーズに即した決済手段の対応と会計オペレーションの効率化が重要なテーマとなります。
インタセクト・コミュニケーションズ株式会社が提供する「IntaPay(インタペイ)」は、国内外の主要QR決済に一括対応できるマルチQRコード決済アプリです。
WeChat PayやAlipay+などの海外決済に対応しながら、国内QR決済にも対応できるため、幅広い客層に対応できます。

さらに、初期費用0円での導入や複数ブランドの一元管理など、さまざまな導入メリットがあります。
【IntaPayの導入メリット】
- 国内・中国で主要なQRコード決済ブランドを一括導入可能
- 初期費用0円で簡単に導入・運用可能
- iOS端末・Android端末、POSレジ、券売機、ECサイトまで幅広く導入可能
- 複数のQRコード決済ブランドを一つのアプリで自動判別
- 24時間365日のコールセンターで徹底サポート
- WeChat連動型クーポンの配信で販促を支援
インバウンド客に需要の高いQRコード決済を手軽に導入し、なおかつ充実したサポート体制をお望みの方は、ぜひIntaPayの導入をご検討ください。
まとめ
近年のインバウンド需要は、モノ消費からコト消費へとシフトしつつあり、体験型観光が注目されています。
体験型観光としてインバウンド客を取り込む場合、現地での多言語化対応や各国の主要な決済手段への対応が望まれます。
インバウンド客が求めるQRコード決済を導入し、集客・売上アップを目指すなら、「インタセクト・コミュニケーションズ株式会社」にお任せください。
IntaPayでWeChat PayやAlipay+などのQRコード決済ブランドを一括導入し、さらに、WeChatと完全連動したクーポンの配信で集客を支援します。
また、中国の最新事情やインバウンド動向を知るスタッフが、店舗・施設の課題に寄り添ったマーケティング施策を提案します。
まずはお気軽にインタセクト・コミュニケーションズ株式会社までお問い合わせください。