QRコード決済は、国内のさまざまな業種で導入が進んでおり、決済額ベースではわずか5年で20倍以上に拡大しています。
一方で、現金決済が根強く残っている店舗も多く、「QRコード決済を導入するきっかけがほしい」と考えている経営者の方も少なくありません。
そこでこの記事では、日本国内におけるQRコード決済の最新動向や導入によって得られる効果について詳しく解説します。
キャッシュレス市場におけるQRコード決済の急成長

日本のキャッシュレス決済市場は、近年急速な拡大を続けており、2024年には決済全体に占めるキャッシュレス比率が42.8%に到達しました。
これは前年の39.3%から3.5ポイント増加しており、日本政府が掲げていた「2025年までに4割程度」という目標を1年前倒しで達成した形です。
特に注目すべきは「QRコード決済の急成長」です。

2018年にはキャッシュレス決済全体に占めるQRコード決済の比率はわずか0.2%でしたが、2024年には9.6%にまで拡大しています。
QRコード決済の市場規模は、2019年の約6,000億円(日本能率協会総合研究所による調査データ)から2024年には約13.5兆円へと、わずか5年で20倍以上と急速な成長を見せました。
この背景には、スマートフォンの普及や日本政府によるキャッシュレス推進策、決済サービス各社による積極的なプロモーションが大きく寄与しています。
国内におけるQRコード決済の浸透率や動向

ここからは、経済産業省が公開した資料をもとに、日本におけるQRコード決済の浸透率や動向について解説します。
キャッシュレス決済全体におけるQRコード決済率は9.6%
キャッシュレス決済は、すでに日本の日常生活に広く浸透しており、2024年時点で7〜8割程度の消費者が利用している状況です。
経済産業省の消費者実態調査では、キャッシュレス決済全体のうち、QRコード決済の割合が9.6%であったと報告されています。

出典元:消費者実態調査の分析結果(2023年3月版)P.5|経済産業省
月々の支出における決済手段の内訳では、QRコード決済は全体の8%という数字になっています。

出典元:消費者実態調査の分析結果(2023年3月版)P.7|経済産業省
こうした数字は、前年度と比較して増加傾向にあり、今後も消費者の利便性向上や店舗側の導入促進策によって増加していくと考えられるでしょう。
個人経営店舗や病院では「QRコード決済が利用できない」イメージあり
キャッシュレス決済は、スーパーやドラッグストア、コンビニなどで利用できることが広く認知されています。
そんな中、個人経営の小規模な飲食店や理美容室、クリーニング店、病院などでは、キャッシュレス決済を利用できないイメージを持つ消費者も少なくありません。

出典元:消費者実態調査の分析結果(2023年3月版)P.8|経済産業省
こうした小規模店舗では、実際にキャッシュレス決済の導入にあたり、コスト面や運用面での負担が課題となっているケースも多く見られます。
業界全体のキャッシュレス化を進めるには、消費者の理解を深めるとともに、店舗の導入負担を軽減するための支援策や情報発信の強化が求められています。
業界全体のキャッシュレス化を進めるためには、より手厚い支援策と情報発信の強化が不可欠です。
比較的低単価のコンビニやドラッグストアでの利用率が高い
キャッシュレス決済を導入している業種に注目すると、コンビニ、ドラッグストア、ファストフード店で特にQRコード決済が利用されていることがわかります。

出典元:消費者実態調査の分析結果(2023年3月版)P.9|経済産業省
また、決済単価別に見ると、高単価の店舗ではクレジットカード、低単価の店舗ではQRコード決済の利用率が特に高いことが明らかになりました。

出典元:消費者実態調査の分析結果(2023年3月版)P.10|経済産業省
例えば、1,000円以下の決済ではQRコード決済率が19%であり、クレジットカードを超える数字となっています。一方で1万円以上の決済手段を見ると、QRコード決済率は10%未満です。
これらのデータから、「来店客数が多い」「会計処理のスピードが重視」「比較的低単価」という共通点を持つ店舗ほど、QRコード決済の導入が進んでいると進みやすいと考えられます。
また、チェーン本部による決済システムの一括導入や、決済ブランドとのポイント連携が進んでいることも、普及を後押しする要因となっています。
さらに、消費者側から見ると、「スピーディーに支払いを完了できる利便性」が、高い支持を得ている理由として挙げられます。
QRコード決済を導入する加盟店の動向と課題

QRコード決済をまだ導入していない店舗にとっては、同業種における導入の理由や、実際の導入効果が気になるところでしょう。
ここでは、経済産業省がまとめた「キャッシュレス将来像の検討会」に基づいて、QRコード決済の実際の導入理由や導入後の課題について解説します。
導入理由の上位は「機会損失の回避」
経済産業省によるアンケート調査では、EC事業者を除く中小企業の約8割がキャッシュレス決済(QRコード決済を含む)導入済であることがわかりました。
導入した背景には、機会損失を防いで売上アップを図る狙いや、顧客からの要望に応えたケースが多く挙げられます。

さらに、小売では「政府のポイント還元事業への参加」、娯楽では「現金管理の効率化とコスト削減」といった目的で導入した事例も確認されています。
調査対象加盟店でのQRコード決済導入率は55.6%
小売・飲食・宿泊・生活関連・娯楽の中小企業を対象とした調査では、80%が何らかのキャッシュレス決済を導入しており、QRコード決済の導入率は55.6%とするデータが報告されています。

同調査では、QRコード決済のみを導入している企業も15.2%ほど確認されています。
全キャッシュレス化には高いハードルがあるものの、QRコード決済のみに限定することで、初期導入コストや運用負担を効率的に抑えられる可能性が高いという見方もできます。
客単価1万円以下の店舗の50%以上が導入済み
QRコード決済は、比較的客単価の低い店舗で導入が進んでいることが、経済産業省の調査からも明らかになっています。
例えば、平均客単価が1,000円以下の店舗では、導入率が61%に達しており、客単価が1万円以下の店舗でも5割以上がQRコード決済を導入しているという結果が示されています。

こうした傾向は、少額取引を中心とする業態で、QRコード決済の利便性や導入ハードルの低さが支持されていることを示唆していると考えられます。
なお、これらの数値は業種や地域によってばらつきがあることから、導入状況はあくまで参考値として捉える必要があります。
決済業務の短縮や売上増加を実感
導入店舗の約半数が、QRコード決済をはじめとするキャッシュレス決済の導入により、業務効率化や売上向上といった効果を感じている店舗も多く見られます。
経済産業省の調査では、導入店舗の約半数が「レジ業務の効率化」や「売上の増加」といったメリットを実感していると回答しています。

また、娯楽や宿泊などの業種では、売上未回収リスクの低減や現金管理の手間軽減も導入効果として挙げられています。
特に、キャッシュレス比率が30〜40%を超える店舗では、導入効果を実感しやすい傾向があるとされており、初期段階からQRコード決済の利用を促す工夫が成果につながる可能性が高いといえます。
こんな店舗にQRコード決済の導入がおすすめ!

先述の経済産業省による調査では、コンビニやドラッグストア、ファストフード店などの客数が多く、低単価の店舗でQRコード決済利用率が高いことがわかりました。また、多くの店舗がレジ業務の効率化や売上増加を実感しています。
ここからは、こうしたメリットを最大限活かせる業種・店舗形態について詳しく解説します。
現金利用が根強く残っている個人経営店舗
現金払いが多い個人経営の店舗では、QRコード決済を導入することでキャッシュレス決済を好む顧客を取り込み、機会損失の防止に繋がる可能性があります。
また、医療関係施設においても、キャッシュレス決済の利用イメージがこれから広がる分野として注目されています。ただし、保険診療等の制度上の制約もあるため、一部サービス導入からの検討が望ましいです。
【こんな店舗におすすめ】
- 小規模カフェ
- 居酒屋
- テイクアウト専門店
- 理美容サロン(床屋・美容室)
- クリーニング店
- 個人診療所・歯科医院など
導入時には、初期費用無料かつ導入サポートが充実したサービスを選ぶことで、個人事業主にかかる負担軽減が期待できます。
オペレーション/会計業務を効率化したい店舗
QRコード決済は、レジでの対応をスムーズにし、ピークタイムの混雑緩和にも効果的です。
例えば、釣銭の準備や現金管理にかかる手間を減らし、ヒューマンエラーを軽減したい店舗に特におすすめです。
【こんな店舗におすすめ】
- ファストフード店
- テイクアウト・デリバリー専門店
- アパレル・雑貨の小売店
- イベント出店・移動販売店
- クリニックの会計窓口など
オペレーション/会計業務を効率化したい場合、POSレジや決済端末、券売機など、多様な決済方法に対応可能なQRコード決済サービスを選ぶことが重要です。
キャンペーンと連動して来店動機を創出したい店舗
QRコード決済ブランドが提供するポイント還元や割引キャンペーンを活用することで、顧客の興味関心を高め、来店意欲の向上が期待できます。
【こんな店舗におすすめ】
- 若年層に人気のカフェ・バー
- 訪日観光客の多い飲食店
- ポイント還元を重視する小売店
- SNSでの集客を強化したい店舗
- 周辺の店舗と決済手段の差別化を図りたい店舗
期間限定キャンペーンと連携した販促施策としても活用でき、幅広い顧客層の取り込みやリピーター増加が期待できます。
国内外の主要な決済ブランドを一括導入できる「IntaPay」

キャッシュレス決済対応の重要性が高まる中、業務効率化と顧客の利便性向上の両方を実現するQRコード決済の選定が重要です。
インタセクト・コミュニケーションズ株式会社が提供する「IntaPay(インタペイ)」は、そんな課題を解決するマルチQRコード決済サービスです。
国内主要のQRコード決済を一括申請・導入可能
IntaPayは、日本で特に普及率の高いQRコード決済ブランド「PayPay」「d払い」「楽天ペイ」などに網羅的に対応しています。

各決済ブランドの加盟店申請は一括で行えるため、導入前にかかる事務的な手間を削減できます。
さらに、異なる決済ブランドのQRコードを自動判別するシステムのため、レジ業務の効率化にも有効です。

個人経営の店舗にも適した柔軟なシステム
IntaPayは、スマホ/タブレット、POSレジ、専用決済端末、ステッカー提示、券売機、オンライン決済のすべてに対応しています。

決済端末の導入に十分なコストを割けない個人経営の店舗や、移動型店舗でも柔軟な導入が可能です。
導入方法に関するご相談にも丁寧に対応しています。
初期費用ゼロで運用開始もスムーズ
IntaPayは無料アプリとして提供しているため、初期費用ゼロで簡単に導入できるサービスです。
24時間365日対応のコールセンターも開設し、いつでもお困りの際にご相談に乗れる体制を整えています。
さらに、QRコード決済と連動したプロモーションのご提案や、インタセクト独自のSNS運用アドバイスなども行い、効率的な運用をサポートします。
まとめ
日本におけるQRコード決済は、客単価が低い店舗を中心に導入が加速しており、今後も市場規模が成長し続けると予想されています。
特に現金利用が多い個人経営店舗や、会計業務の効率化を求める飲食店・小売店、来店動機を高めたい店舗におすすめの決済手段となっています。さらに、ポイント還元キャンペーンの活用による集客にも効果的です。
「インタセクト・コミュニケーションズ株式会社」では、初期費用ゼロ&スマホ一つから導入できるマルチQRコード決済サービス「IntaPay」を提供しています。
国内で主要なQRコード決済ブランドを一括で導入でき、店舗の形態に応じてPOS連携、専用端末、ステッカー提示、券売機などを選んでいただけます。
QRコード決済を起点とした販促プロモーションのご相談も受け付けておりますので、ぜひこの機会にご相談ください。