中国からのインバウンド需要を取り込むため、WeChat Pay(ウィーチャットペイ)に対応する日本の小売店や飲食店、商業施設などが増えています。
しかし、WeChat Payの導入方法や、ユーザーが実際にどのように利用するのかイメージが湧かず、インバウンド対応に遅れをとっている企業様もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、WeChat Payを日本で使う方法から、店舗・施設で導入する流れ、おすすめの導入方法まで詳しく解説します。
※本記事は、2025年2月26日時点での情報を掲載しています。
日本でも使えるWeChat Payとは

画像出典元:WeChat Pay(微信支付)
WeChat Pay(微信支付)とは、アクティブユーザー数13億4300万人以上を誇る中国のメッセージアプリWeChat(微信)で利用できるモバイル決済のことです。
中国をはじめとする72の国・地域で広く利用されており、決済可能な通貨は29種類にも及びます。日本においては、中国国籍の方のみ利用可能です。
中国で日常的に利用されているWeChat Payは、インバウンド需要を取り込むための有効な決済手段です。
店舗・施設でWeChat Payに対応する際は、顧客の利便性と運用のしやすさの両方を考えることが重要です。
日本と近隣国でのWeChat Pay普及状況

WeChat Payは、中国を中心としたアジア圏で広く普及しています。
日本では、訪日中国人の増加に伴い、さまざまな店舗・施設でWeChat Payの導入が進んでいる状況です。特に、訪日中国人観光客が多い空港や観光地などの店舗で導入が多くみられます。
本国中国では、WeChat Payの利用者数が9億人を超えると言われており、コンビニ、スーパー、飲食店、ホテル、交通機関などのほとんどの支払いで利用可能です。
台湾では、ライセンスが取得できないことからWeChat Payを利用できませんが、香港では、WeChat Pay HKという独立したアプリが提供されており、100万店舗を超える場所で利用されています。
WeChat Pay普及は、中国人観光客の需要や、各国のキャッシュレス化の進展度合いによって大きく異なります。
日本は主要国の中でもキャッシュレス決済比率が低い水準にあるため、今後さらなる普及拡大が期待されています。
WeChat Payの登録方法

WeChat Payは、スマートフォンアプリとして提供されています。
ここでは、WeChat Payの具体的な登録方法をわかりやすく紹介します。
「WeChat」でアカウント登録する
まずは、Apple StoreまたはGoogle Playから「WeChatアプリ」をダウンロードします。
その後、アプリを起動し、以下の手順でアカウント登録をします。
- アプリを起動した後、「モバイル登録」を選択する
- 「プライバシー保護の概要」を確認し、「次へ」をタップする
- 「セキュリティ確認」の画面が表示されたら「開始」をタップする
- SMSで送信された4桁の暗証番号を入力する
上記を済ませた後、クレジットカードまたは銀行口座との紐づけへと進みます。
クレジットカード・銀行口座と紐付ける
WeChatのアカウント登録が完了したら、チャット画面を開いて「マネー」を有効にします。
【マネー有効の流れ】
- チャット画面の右上にある「+」をタップする
- 「マネー」を選択し、さらに「有効」をタップする
- 「カード番号」にクレジットカード番号、または中国の銀行口座の番号を入力する
- 請求先住所や氏名などの情報を入力する
- 6桁のパスワードを設定する
WeChat Payでは、以下のクレジットカードと紐付けることができます。
- VISA
- Mastercard
- JCB
- ダイナーズクラブ
- ディスカバーカード
なお、銀行口座と紐づけたい場合、中国の銀行のみ対象となります。
実名認証をする
マネーを有効にするだけでは決済ができないため、実名認証が必要です。
実名認証は、中国で発行された身分証またはパスポート(写真付き)の提示で行います。
実名認証が完了するとアカウントが有効になり、WeChat Payでキャッシュレス決済が可能になります。
WeChat Payの使い方

WeChat Payで支払いを行う際、基本的に「決済」「チャージ」「送金」という3つの機能を使います。
決済をする
WeChat Payに対応した店舗・施設での支払いの流れは、以下のとおりです。
【支払いの流れ】
- 「WeChatアプリ」を起動する
- 画面右上の「+」をタップして「コードをスキャン」を選択する
- 画面に表示されたQRコードをスキャンする
- 6桁のパスワードを入力する
- 最後に「同意」をタップする
オフライン店舗の場合、QRコードが印刷されたPOPやステッカーをスキャンします。
オンライン店舗の場合、決済ページに表示されたQRコードを読み込み、支払い完了となります。
チャージする
クレジットカードや銀行口座と紐づけた後、WeChat Payの「ウォレット」を選択します。
任意の金額を入力して決定すれば、WeChat Payに自動的にチャージされます。
送金する
WeChat Payユーザー同士で中国の銀行口座を持っている場合、送金機能を利用できます。
【送金方法】
- 送金する相手とのチャット画面を開く
- 画面右下にある「+」をタップし、「送金」をタップ
- 送りたい金額を中国元で設定し、「送金」をタップ
- 金額を再確認し、「今すぐ支払う」をタップ
- 6桁のパスワードを入力
この流れで送金手続きが完了します。受け取りには、相手側の「承認」が必要です。
【送金の受け取り】
- WeChat上で送金メッセージが届く
- メッセージをタップして詳細を開く
- 「契約に同意」をタップ
- 「領収書の確認」をタップ
この手順により、送金されたお金をWeChat Payのウォレットで受け取ることができます。
送金が実行されてから24時間以内に受け取りを完了しなければ、返金される仕組みです。
WeChat Payを日本で使うメリット

WeChat Payを日本で使うメリットは、利用者(エンドユーザー)側と事業者側(店舗・施設など)で異なります。
以下で、それぞれのメリットを具体的に解説します。
利用者側のメリット
WeChat Payは、主に中国人観光客や在日中国人に利用されており、支払い時のスムーズな決済と円滑なコミュニケーションに役立っています。
【利用者側のメリット】
- QRコードの読み取りだけで決済できるため、日本語が話せなくても支払いができる
- 中国の銀行口座から直接チャージできるため、日本円への両替の手間が省ける
- 財布を出す必要がなく、店舗・施設でスムーズに支払いができる
日本滞在中も慣れ親しんだ決済方法を使用できるため、より快適な旅行や生活を楽しむことができます。
店舗・施設側のメリット
小売店や飲食店、観光施設などでWeChat Payを導入した場合、中国人観光客の集客や会計業務の効率化に繋がります。
【店舗・施設側のメリット】
- 訪日中国人観光客を呼び込みやすくなる
- 中国語を話せるスタッフがいなくても、スムーズな決済対応が可能
- QRコードでの簡単な決済により、会計業務が効率化する
- 競合店舗との差別化を図ることができる
近年における訪日中国人観光客のインバウンド需要は高く、特に観光地ではWeChat Payの導入によるポジティブな効果が期待できます。
店舗・施設でのWeChat Pay導入方法

日本でWeChat Payを導入する場合、直接契約ではなく決済代行会社のサービスを利用するのが一般的です。
具体的には、以下の手順でWeChat Payを決済方法に追加できます。
【WeChat Payの導入方法】
- WeChat Payの決済代行サービスを選定する
- 決済代行サービスの加盟店審査を受ける
- 審査通過後、決済システムのアカウント登録をする
- 決済代行サービスから提供された決済システムの初期設定を行なう
- 店舗提示型の場合、QRコードを印刷したPOPやステッカーを設置する
- 消費者提示型の場合、QRコード読み取り用端末を設置する
- スタッフにWeChat Payの利用方法を説明し、トレーニングを実施する
- テスト運用完了後、本格的にWeChat Payの利用を開始する
インバウンド対策としてWeChat Payを導入するなら、Alipay+、UnionPayなども一括で対応できるクロスボーダーな決済システムの導入がおすすめです。
WeChat Pay導入とインバウンド対策なら「IntaPay」

店舗・施設にWeChat Payを導入するだけでは、インバウンド対策はまだまだ不十分です。
インタセクト・コミュニケーションズ株式会社では、WeChat Payを含む多様なQRコード決済に対応し、さらに集客や販売販促も支援する「IntaPay(インタペイ)」を提供しています。
ここからは、WeChat Payを日本の店舗・施設で導入し、さらにインバウンド施策までアシストするIntaPayの特徴を紹介します。
複数の決済ブランドに対応
IntaPayは、中国で主流のWeChat PayやAlipay+、PayPayや楽天ペイなど複数のQRコード決済ブランドに対応しています。
QRコード1つ読み込むだけで、クロスボーダーなキャッシュレス決済対応を実現します。

決済ブランドを自動識別できるため、店舗のオペレーション負担が軽減され、会計業務が効率化します。
有人レジや券売機、自動精算機などの幅広い端末に導入できるため、多種多様な業種で活用できます。
WeChat Pay完全連動のクーポンを配信
IntaPayはWeChatと連動し、Web上で取得したクーポンを受け取るだけで、自動的に割引処理する機能を提供します。
インバウンド観光客に紙のクーポンを配布する必要がなくなるため、少ない負担で集客や顧客満足度の向上に繋げられます。

WeChat Payと連動したクーポンは、実店舗でもECサイトでも即時適用可能です。
さらに、中国で影響力のある旅行サイト「馬蜂窩(マーフォンウォー)」や、中国最大の検索エンジンBaidu(百度)などと連携したクーポン配信+効果検証も行っています。
どの媒体からどのクーポンがダウンロードされ、実際にどのくらい利用されたのかを分析し、来店・売上の効果測定も可能です。
複数ブランドの一括申込も可能
WeChat PayやAlipay+、UnionPay、PayPayなど、複数の加盟店審査や契約を一括で行なうことが可能です。審査に通過した後のアプリ導入や設定も簡単です。
また、IntaPayの導入には初期費用がかかりません。予算を気にされている小中規模の店舗・施設でも導入しやすい点が魅力です。
さらに、複数の決済ブランドの取引データを一元管理し、顧客属性や決済情報を指標にした分析や課題の抽出までサポートします。
WeChat Payの導入はインバウンド対策として重要
WeChat Payは、中国で日常のあらゆる支払いに対応しており、訪日中国人観光客にとって非常に需要の高い決済手段です。
今後さらに拡大が見込まれるインバウンド市場に対応するため、観光地の店舗・施設では、WeChat Payのスムーズな導入と運用を進めることが求められます。
WeChat Payを含むクロスボーダーなキャッシュレス決済の導入と集客施策は、「インタセクト・コミュニケーションズ株式会社」にお任せください。
「IntaPay」で多様なブランドのQRコード決済の導入をスムーズに実現し、さらにWeChat完全連動のクーポンで集客と売上向上に貢献します。
また、中国現地の実情やインバウンド消費動向に詳しい中国出身スタッフが、最新トレンドをおさえたマーケティング戦略を提案します。
インバウンド対策を成功させるためのキャッシュレス決済や、マーケティングにお悩みの方は、ぜひこの機会にインタセクトまでお悩みをご相談ください。